MUMA.

そういえばなんで絵描いてんだろ。のハナシ②

そういえばなんで絵描いてんだろ。のハナシ

 

前回の続き

 

12時間後、逆方向に向かう田園都市線でまた思考のスイッチが入った。

絵をぼんやり書き始めたのは20歳、大学3年生の時だった。周りの友達が就活の話をし出す時期である。

 

昔から将来のことを考える時、決まって恐怖を覚えた記憶がある。お金の心配とか、体裁とか自分に合わない会社だったらとかいうことじゃなくて、同じことを繰り返して生きていく、ということに対しての恐怖である。月曜から金曜まで決まった時間に出社して土曜日に羽目を外して日曜日は寝てる。みたいな。それは、就職した瞬間にゴールまでの流れが見えてしまうようで(実際はそんなことないのだろうけれど)、言いかたを変えると、距離こそ遠いものの自分の死が直線上に見えてしまっているようでとても怖くなった。そんな気持ちは周りのみんなが就活を始めたタイミングで過去最大になった。

だからおそらく、絵を描こうと思ったというよりも、自由でくねくねした、迷路みたいな人生を歩むにはどうしたらいいんだろうか。みたいなことを考えていた。

 

自分は就活は違うかも。。

 

それがなぜ絵を描くことに繋がったかは不明。ただ、「本気出せばなんでもできるでしょ」とか、「なるようになるでしょ」という“THE ABな考えを持っていた記憶がある。

 

 

とにかく、その頃には就活をしようという考えは頭の中から消え去っていて、自分が描いたグラフィックをプリントしたTシャツを友人に売ったり、友人に頼まれてステッカーのデザインを描いたりした。

 

正直、その頃絵を描くという行為が楽しいかどうかは自分でもわからなかった。

それでもとにかく、自分の絵描きとしての人生はここから始まった。

 

つづく。

関連情報

コメントは受け付けていません。